電車の中の恐怖(始まりから終わりまで)

#またグロ注意#
昨日はちびっと早く学校を出る。10時40分過ぎか。酔っ払い対策。一昨日は11時00分頃学校を出て、えらい混んでるわ、酔っ払いばっかりだわで大変だったしね。
で、電車に乗るとかなりよい感じである。確かに混んではいるが、ぎゅうぎゅうというほどではない。これは作戦勝ちだな。そんなことを思いながら乗り換えの駅。。うーむ、世の中そないうまくいくわけない。乗り換え電車はべらぼう。
電車に乗り込むと奥に一人分吊り革が空いているではないか。ぼくは吊り革さえあればどんな満員電車でも生きていけるので*1、必死こいて「すいませーん」と言いながら吊り革目指す。すっぽりそこにおさまって電車は出発。少しすると、隣の男性が「う、うーーん。じゃーーー。じゃーーー」とうなり出す。ヨッパライダ。
ずーっと「じゃーーじゃーーー」と言いながら、吊り革を持つ両手に全体重をかけ、ふらふら揺れている。ぼくが乗り込んだ時は静かで気付かなかったが、そこの吊り革が空いていた理由がわかった瞬間であった。。そして、動こうにもすでに退路は絶たれている。そんなぎゅうぎゅうの満員電車。
こうなりゃ楽しむしかないなと思って、この「じゃーーじゃーーーー」が何を意味しているのか解析することに。よく聞いてみると、“じゃ”と“ぢゃ”の間のような音で「じゃーじゃーーー」と言っている。うーむ、なんだろう。
数駅過ぎる頃に、こやつは靴を片方脱ぎ出して、変わらずぐらぐら揺れている。靴下は5本指。すっごいおかしくなってふき出しそうになる。。
どうやら、この「じゃーじゃーーー」をよく聞いてみると、「よっしゃーよっしゃーーーー」の“しゃー”が濁っているようだという仮説に辿り着いた。この人は何をそんなに、喜んでいるのか気合を入れているのかしているのだろう。疑問は増えるばかり。そんな折、一瞬、前の座席の辺りがざわついた。
なんと、このおっさんが前の座席に向かって唾をはいたようだ。座っていた男の人と女の人の2人が主にかぶったξ。その男性が途端に隣の女性に「日本人じゃないみたいだなー」と言っていた。なるほど、そういう考え方も出来るな。
この事件から少し経って、ヨッパライダーは「ちょっとちょっと」と言った。被害者の男性が「お、日本人だ」と言う。日本人ということが確認できたからか、ちょびっと空いてきた頃、被害者2人は座席を立って、ヨッパライダーに話し掛け席を勧めた。そこにヨッパライダーが座る。脱いで足さんと別れ別れになっていた靴も差し出す。よい判断だと思うが、決断が遅かったか。。ま、仕方あるまい。座るとヨッパライダーは途端に静かになった。
2人分の席に1人座っているだけ。この状況で新たに電車に乗ってきたほろよいおっさんが、そこの座席を伺っている。空いてきたといっても、十二分に混んでいる電車。そんな中で空いた座席。おっさんは、何度も何度も座席を見直し、結局座らなかった。さすがである。長年の経験と勘から、そこが危険であると瞬時に判断したようだ。ぼくも見習いたいものだ。
しばらく静かにしていたヨッパライおっさんだが、また「じゃーーじゃーーー」と言い出す。さっきより小声。そして、眉間にしわを寄せしかめっ面をして嗚咽をし出した。こうなれば、一刻も早くその場から離れるしかあるまい。一駅ごとに空いていくが、それに合わせるかのようにぼくもじわじわと距離を取る。もうこの前の二の舞はいやだ。
電車もガラガラになって来て、向こうの座席が空いた。そこをすかさず取る。あー、よかった。ここなら安心。他のみんなも一応は距離が取れたようだった。それから少しして、ヨッパライダーはちょびっと吐いた。。危機一髪。
その後もなにやら嗚咽が聞こえるが、何事もなく大きな駅に着いた。で、何も知らない人らがヨッパライダーの付近の座席に座る。情報の共有こそが人類の力というものだが、これは伝えるべきか否か。でも、やっぱり「そこ座らない方がいいですよ」なんてことは口が裂けても言えないのであった。
で、電車が発車してすぐに、ヨッパライダーの方からドボドボドボドボ。一斉にそこから散っていく人々。それはもうプログラムされたかのよう。ヨッパライダーは次の次辺りの駅で降り、ブツだけが残る。それから暫くして、あのなんとも言えない臭いが車内に漂う。
服の臭いやら自分のにおいやらをかいでごまかしながら、地元の駅に着いたのが12時を回ったころ。電車は立っている人はいないが座席のほとんどは埋まっているという状態だった。外から見るとその領域だけ空いているのが目立つ。
後からよくよく考えると、「よっしゃー」の“じゃー”は、気持悪くて吐きそうになる波を、乗り越える度に、また、乗り越える為に言っていたのかも知れない。そう考えると、彼は彼で相等辛かったであろう(覚えているかは知らんが)。
まあなんにしても明日(今日)は金曜日。被害を及ぼす方であれ、受ける方であれ、誰も望んでいないだろうから、ただただこんなことは起きてほしくないなぁと思う次第である。

*1:実際、吊り革ゾーンは他のとこよりスペースがある場合が多いしね。