ちょ〜睨まれた。。

帰ってくる時の電車の中にて。ほんのさっきの話。
終電間近で電車はほとんどの駅に止まる。止まる駅は多いのに乗客は一向に減らない。乗り換えによってその電車に乗ることになったぼくらは、電車が止まる度に一度ホームに降りてまた乗る。
そんな儀式が何度か行われた後、ぼくはドアの間際に追い込まれる形になってしまった。なるべくなら止まる度に降りる必要のない後ろに行きたいが、真後ろの人らにブロックされトラップされてしまった。いつもなら何度か繰り返せばかなり安定な位置に行けるのに…前にはドアにおでこをつけているおっさん1人。どうやら酔っ払いのようだ。最前線の方がまだましだなぁと思う。
電車が発車して少し経つと、何かがバシバシ手に当たってくる。前のおっさんが肩から下げているバックを、一生懸命自分の背中の方へ回そうとしていた。当然ぼくがいるためうまくは行かない。ぼくもできることなら後ろに行きたいが、それはどうもできそうにない。何度も何度もぶつけてくる。
あまりに続くものだから、こっちも少し頭に来て手の甲から手首あたりを使ってぐいっとバッグを止めてやった。それでもこっちにぐいぐいぐいぐい力を入れてくる。あきらめてまたバシバシが始まる。
ようやく次の駅。ドアに近いので当然ホームに降り、それと同時に別の車両に移動。こんなところにはいたくはない。そして、落ち着いたところで外を見てみると、何やらこっちを見ているおっさんがいる。さっきのおっさんだ。なにしてんだろと思いつつ、こっちも見ていると、視線は電車の動きに合わせてこっちを見ている。睨まれているらしかった。はてさて、どうして睨まれる理由があるのだろう。
そんなことを考えていると、一つの結論にたどり着く。やつは酔っ払いである。ぼくが降りて当然同じ車両に乗るだろうと予想していたのだけど、それに反して別の車両に行ってしまったので、やつの頭の中はパニック状態。おどおどしているうちに電車のドアが閉まってしまい乗れなかった。そういうわけか、納得納得。
いやはや、真面目な話、よく電車の中に「リュックサックは背負わないで下さい」というような注意書きがある。これは別にリュックだけに限ったものではないと思う。“電車の中での荷物は扱いによっては邪魔になる”ということに対しての注意であって、それが顕著に目立つリュックの場合を取り立てて取り上げているだけの話だ。また、扱いに注意しなければならない場合として、自分の目の届かないところに荷物がある場合にはより注意が必要だということを言っている。このおっさんは、きっと酔っ払っていてそんな判断能力はないだろうが、“自分の見えないところに荷物をやろうとする”という行為の邪魔になったからといって、ぼくがそんなに睨まれる筋合いがあるのだろうか。常識の範囲のことである。
そういや、来る時にも似たような光景を見た。ぼくの最寄り駅では「駅構内は終日禁煙」という貼り紙があり、喫煙が禁止されている。駐輪場に自転車を置いて改札へと続くエスカレーターに向かう時、その手前で煙草を吸っているおっさんがいた。まあそこは“駅構内”の境界に当たる部分だと思われるので、許されるレベルであろう。しかし、そのおっさんはぼくが通りかかった時、その煙草を地面に投げ付け靴でグリグリと火消しをしたではないか。
「駅構内は終日禁煙」というのは守っているくせに、煙草のポイ捨てという行為はやってしまうというのは、もう何がなんだかわからん。「終日禁煙」のように場所によって規定されていることや、法律でしてはいけないとされていること以外なら、何をしてもよいということだろうか。
そもそも喫煙者が煙たがられる要因は、このような想像力の欠如から来ている。簡単にポイ捨て。だれかれかまわず、そこかしこで、どんな時も煙草を吸う。もう少し思いやりがあれば、そんなにうるさくは言われないと思う。
週末になると、煙草も含めて相当数のゴミが駅前にたまっている。それが月曜になるときれいになっているのは、自然の力できれいになるわけではない。決められていることだけじゃなく、もっと想像力を働かせいろいろな状況を想定して、個々人レベルでみんなが過ごしやすくしていく必要があるのだと思う。