読んだ

おもしろかった。定型発達の人と違って自閉の人は体を動かすのがマニュアル作業だとか。体温調節に汗をかくにも“努力して”汗をかこうと思わなければいけなかったり、歩くのもものすごく集中するとかで耳栓やサングラスをして入ってくる情報を少なくして歩ったり。
自分も小さい頃に息が出来なくなったことがあったなぁと思い出す。その時は頑張ってスーハースーハーと息をしていないと呼吸が止まってしまい、「息しなかったらおれ死ぬじゃん」と思ってかなり焦り、そして、焦れば焦るほど深みにはまったと。まあ程度もかなり違うのだろうが、こういう操作を全身自分でしなけりゃならんてことなのだろうから、ものすごく大変なんだろうなぁ。雨が痛いとか体がなくなるってのは想像だにできないが・・・あ、体がなくなるってのは体は寝てて目覚めるか目覚めないかの時に、目も見えず体に全然力が入らないってな状態に近いのかなー。
それと、“見えないものはない”という言葉に象徴される不安感。きっと何から何まで(自分の体のことを)自分でやらなければならず、そのことによって世の中すべてをわかるものと思いがちで、わからないことや言葉で定義されないことに大きな不安を感じてしまう。自閉の人が罪悪感を持ちやすいそうだが、わからないことへの不安感からすべてを自分のせいにすることで逆に安心するという、一筋縄には理解できない罪悪感なんだろうなと。そんな考えもあるのかと。
本自体はインタビュー形式で進められ、内容もそうだけど選んだ言葉やら切り返しもおもしろい。こういう人達もいるのだと知ることはでき、また、読んでいて楽しむことができたのでとてもよかった。