修了展示

美大に行っているOが修士を修了するということで、修了展をやるので“絶対観に来い”と言われたので見に行く。彼が、2年間なのか、6年間なのか、二十云年間なのか、とにかく、彼の歩み積み重ねて来たものの集大成が観れるということで、かなり楽しみである。彼の作品を見るのは学部の卒業展示以来。
お昼に大学に到着。卒業展示の時は大学の外の会場での展示だったので、大学に入るのは初めて。ほほー、こんなところに毎日通っておるのか。かなりぼろい歴史を感じる建物だ。
迷いつつもOのところまで辿り着いた。久し振りに会った彼を見て驚いたのが、ぼくと携帯の機種と色が被っていたことだった。あんまりこれを持ってる人を見かけないが、まさかこんな近くにいたとは。。
早速、彼の作品が展示されている部屋へ入る。修士様ともなると、作品の展示に1つの部屋を与えられる。Oは油絵科に在籍しているが、最近は立体的な造形物を造っているようで、今回の展示もそっち方面。写真を撮るのをべらぼうに忘れてしまったが、テーマは“プラスティックや金属で造られた人工物を使って生命を表現すること”だそうだ。(違ってたらすまん。。)
ブツ(作品)はでかかったが、とてもかわいらしい作品で、観ていると手を伸ばして触りたくなる。DNAの構造を表したオブジェクトに小さな人形が乗っていたりして、“お、こいつはちゃんとメッセンジャーRNAの話とかも勉強してるのか”とちょっと感心したが、聞いてみるとそうではなかったようだ。部屋全体で作品のすべてかと思っていたが、何個かの作品に分かれているのだそうだ。
展示している部屋は、彼が修士の2年間使っていた部屋らしい。白い壁に囲まれた部屋の上に、古い扇風機が取り付けられていた。まわすと黒いほこりが落ちてくるとか。普段はこの部屋を2、3人共同で使用していたそうだ。作品もそうだが、彼が実際に作業していた部屋も同時に見ることができて、ちょっとうれしい。
彼の展示をたっぷり堪能した後、他の展示も観る。普段あまりこういうものには接していないが、なかなかおもしろい。思わず食べたくなるような作品だったり、ものすごく地味な作業を積み重ねているのを感じるものだったり、外にある建造物に描いたものだったり、単一の色の濃淡を使って表現したり、鉛筆のみで描いてみたり、こいつ、絶対駄洒落好きだよ、と思わせるものだったり。どれも力が入っていて、また、その人を思わせるようなものばかりだった。
一頻り観終わって彼にもう一度会ってから帰ろうとしたら、花畑牧場の塩キャラメルをもらった。北海道から駆けつけたUのお土産らしい。そういえば、ぼくも何か持って来ようと思って忘れていたな。他の会場でも展示してあるからと、展示場所を教えてもらって別れた。ぼくは他の会場を少し観てから帰った。Oの今後の活躍を切に願う。